野菜の残留農薬

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野菜の残留農薬について


現在、食卓にあがる野菜に残留農薬の不安の声が上がっています。
農薬の不安はよく耳にしますが、実は野菜は残留農薬の他にも硝酸塩・ダイオキシン等も問題視と
されています。
それぞれの問題を見てみましょう。

野菜の残留農薬とは
店頭で販売されている野菜に残留している農薬の事です。
農薬の内、水に溶ける農薬(主として病気を防ぐ為に使用されている殺菌剤)は野菜の表面に
主に残留しています。

また、油に溶ける農薬(主として害虫を防ぐ為に使用されている殺虫剤)は、野菜表面化の下層にある
クチクラ層(注1)に溶け込んでいますが、野菜の内部まで浸透することは多くありません。

(注1)クチクラ層とは植物で言えば、植物体の最外層を覆う組織系で、植物体の保護と物質の出入りの
調節を行っています。

硝酸塩とは
植物は、窒素を硝酸塩やアンモニウム塩の形で根から吸収し、これと炭水化物からアミノ酸やタンパク質を
合成します。
吸収される硝酸塩などの量が多すぎたり、日光が十分に当たらなかったりすると、吸収された硝酸塩などが
アミノ酸、タンパク質に合成されないで、植物体中に貯まると言われています。

化学肥料の過度な使用、大気中の窒素酸化物の増加などから高濃度の硝酸塩を含んだ野菜
(とくに葉物類)が市場に多く出回り、販売されるようになりました。

硝酸塩は加熱などで亜硝酸塩に変化します。
それが体内に入ると、胃の中で肉や魚に含まれるアミンと結合してニトロソアミンという発ガン物質等の
有害物質をつくる可能性があります。
また、硝酸塩は血液に入るとヘモグロビンの鉄分を酸化させ、血液が酸素を運べなくする作用もあります。

硝酸塩が悪化させるといわれる病気は、アトピー性皮膚炎、胃炎、甲状腺の疾患、糖尿病、腎臓、
膵臓の疾患、ガン、アルツハイマー病等です。
硝酸塩は水に溶けやすく野菜全体に残留していると考えられます。

ダイオキシン
ダイオキシンは、ゴミ焼却場等で主に物が燃焼することによって発生し、大気中に放出されます。
そのダイオキシンが、野山や田畑に拡散し、土壌や湖沼や海の底泥に蓄積します。

ダイオキシンはとても毒性の強い物質で、ごく微量でも人体に重大な影響を与えると言われています。
大気中のダイオキシンは風塵などの微粒子について付着しているので野菜で最もたまり易いのは
表面になります。

また、野菜の気孔を通じて大気中のガス状のダイオキシンがたまるので、表皮下層もダイオキシンが
たまりやすい部分となります。
また、特に根菜類に言えますがダイオキシンに汚染された土が野菜の表面に付着している可能性が
あるので注意が必要です。


野菜の残留農薬・硝酸塩・ダイオキシンを落とす
実は、家庭で調理する前に野菜を洗いますが、下ごしらえの時に少し手を加えれば野菜の残留農薬等の
有害物質を除去、または大幅に削減することが出来ると言われています。

現在、排毒(デドックス)が大変注目をされています。
しかしその前に毒を体内に入れない工夫はとても重要な事なのではないでしょうか?

下記に、有害物質を除去、もしくは大幅に削減する野菜の下ごしらえの仕方を野菜の
名前ごと、(50音順)にまとめてみました。

尚、記載されている文面で「ふり洗い」とは材料を入れて、水の中でザルを揺らして振るうように洗うことです。
また「ゆでこぼす」とはお湯で野菜を煮て、その残りの汁を捨ててしまう事です。


枝豆

さやを枝から取り、水で洗います。
塩をふり、全体を揉みながら表面のうぶ毛をとり除きます。
その後、沸騰したお湯で5〜6分茹でます。
水洗いで表皮の農薬などが落ち、表皮下に残留したものは、
塩もみでついた傷から湯に溶け出します。
農薬やダイオキシンはさやの中の豆まで浸透しないので安心です。


オクラ

流水で30秒位洗ったら、オクラをまな板の上に3〜4本乗せて、塩をふって
手のひらで転がすようにして板ずりをします。

この板ずりをする事で、うぶ毛を取ると同時に表皮に付いた傷から残留農薬や
ダイオキシンが溶け出しやすくなります。
後は、そのまま熱湯に入れて1分ほど茹でてザルにとり、冷まします。
オクラは野菜の残留農薬が少ない部類なのでこれで十分除去すること可能です。


カブ

カブは育ちが早く、また地下で育つ野菜で残留農薬の心配は比較的
少ないですが、硝酸塩はやや多めのようです。
まずは流水で30秒程度、こすり洗いします。
このあと皮をむいて使えば、クチクラ層に不安物質が残留していても
除くことができます。
尚、すぐに調理しない場合、葉は水分が抜ける原因なのですぐに切り離します。


カボチャ

流水でタワシかスポンジを使い30秒程度皮をこすって洗います。
そうすることで表皮の残留農薬やダイオキシンを取り除く事が出来ます。

その後、かすりむきをしてカボチャを煮ると表皮下にたまっている不安物質が
お湯の中に溶け出します。
表面が透き通ってきたらお湯を一旦捨てます。
国内産のカボチャは病害虫に強く農薬の心配はさほどありませんが、輸入物は不安が残るので
かすりむきを丁寧にします。


カリフラワー

茎の芯の部分と葉をきれいに取り除いてつぼみだけにしたら、
茎の方を上にして数分間、水につけて虫やゴミを取り除きます。
あとは小房に分けて塩小さじ1を入れ3分程度茹で、ザルに上げます。
尚、カリフラワーのビタミンCは壊れにくいのが特徴なので、柔らかくしたい場合は
7分位茹でても大丈夫です。



キャベツ

一番外側の葉を取り除きます。
外側ほど古い葉で内側にいくほど新しい葉です。
そうなると外側の葉は長い期間にわたり、もっとも農薬を浴びた箇所であり、
残留農薬も多い部分になります。
また、ダイオキシン付着の不安も大きいです。

尚、生で食べる場合には千切り、短冊切りなど切ってから水にさらすことがポイントです。
残留している農薬や硝酸塩、ダイオキシンがあっても切り口から水に溶け出し、減らす事ができます。
炒め物の場合は、30秒くらいゆでこぼしてから使うとより安心です。


キュウリ

流水でよくこすり洗いし、表皮に付着している殺菌剤やダイオキシン等を
落とします。
次にまな板に乗せて塩をふり、両手で軽く転がすように板ずりします。
塩でキュウリに傷がつき、表皮の下に染み込んでいた殺菌剤も出てきます。
そのあとは、流水で洗って塩を落せば大丈夫です。


グリーンアスパラガス

国内産のグリーンアスパラガスは比較的病害虫に強い野菜で残留農薬の
心配はさほどありません。
流水でサッと洗い、適度な大きさに切ってから茹でれば農薬などが
残っていても取り除けます。
炒めて使う場合には、あらかじめ2つに切ってから2〜3分茹でればより安全です。
これ位のゆで時間だとビタミンCは減らずに済みます。


ゴボウ

ゴボウは土の中で育ち、農薬が直接かかることない野菜で残留農薬の心配は
さほどありなせんが、土壌中のダイオキシンの問題や微量ながらも塩素系農薬等の
不安があります。

まず流水でタワシを使ってゴシゴシ洗って土を落とします。
次に包丁の背で皮をこそげ落とします。
切った後は酢水に10〜15分さらし、アクを抜きます。


小松菜

小松菜は栄養価の高い緑黄色野菜で、カルシウム・ビタミンA・鉄・カリウム・
食物繊維などを多く含んでいます。
しかし、硝酸塩や残留農薬の多い野菜です。
まず流水で根元を広げるようにしてよく洗います。
これで表面の農薬やダイオキシンを落とします。

その後、2p位に切りたっぷりのお湯で1分程度茹でます。
茹でる時間が1分程度ですとギリギリビタミンCを減らさないで済みます。

また、茹でる前に切る事で表皮のクチクラ層を露出し、殺虫剤や硝酸塩などを湯に溶け出しやすくなります。
茹でた後は水にさらしてから水気を絞ります。


サニーレタス

病害虫に強く、農薬をあまり使わないのでしっかり洗えば不安は
ほとんど無いので外側の葉を捨てる必要はありません。
葉を一枚ずつはがしてボウルに入れ、5分ほど水につけておきます。
その後、5回ほどふり洗いをします。
これで、表皮に付いていた農薬やダイオキシンが取り除かれます。


サツマイモ

流水でスポンジを使って5回ぐらいこすり洗いし、残留農薬やダイオキシンを
取り除きます。
次に皮をすぐ内側にある筋のような輪の部分まで厚めにむきます。



里イモ

サトイモは病害虫に強い為、農薬使用は比較的少ないのですが、
土壌のダイオキシンが心配なので、きちんと洗います。
まずタワシで水洗いし汚れを落とし、皮をむきます
次にボウルに入れて塩をふり、手でもみながらぬめりを引き出し水洗いします。
かぶるくらいの水を入れ、3〜4分ゆでてザルにあげ、流水でヌメリを取ります。


サヤインゲン

ザルに入れ、流水のなかで1分ぐらいふり洗いし、表皮の農薬や
ダイオキシンを落とします。
手で適度な長さに折り、沸騰した湯に入れ1分程度ゆでこぼします。
露出した表皮下層から有害物質が溶け出してくれます。



サヤエンドウ

流水の中でふり洗いし、表皮の農薬などを取り除きます。
次に筋を丁寧に取ります。
筋を取り除くことで、農薬やダイオキシンが残留しやすい表皮下が露出し、
ゆでこぼしの効果が高まります。
たっぷりの熱湯で1分ほど茹でたらザルに上げて冷水をサッとくぐらせ
水気を切ります。


シイタケ

生シイタケは屋内や林の中での栽培なので、農薬やダイオキシンの心配は
あまりありません。
ボウルでのためすすぎで十分です。
2〜3回、水を変えながら洗えば大丈夫です。



ジャガイモ

流水でスポンジ等を使ってこすり洗いします。
土をきれいに落とすことでダイオキシンの不安もなくなり、表皮の農薬も
大分除けます。
皮は厚くむく必要はありませんが、緑色に変色した皮に毒素(ソラニン)が
含まれるので、芽を丁寧に包丁の刃元でくり抜きます。
次に水にさらします。
これは切り口が空気に触れて褐色になるのを防ぐと共に農薬やダイオキシンが残っていても、
水にさらすことで溶け出してさらに安心という効果もあります。


セロリ

セロリはビタミン、カルシウム・鉄分・マグネシウムなどのミネラルを含み、
また食物繊維も豊富ですので、
強壮、整腸、鎮静、コレステロールなどに効果があります。
しかし、生育期間が長くて害虫に弱い為、農薬使用が多くなりがちな野菜で
残留農薬の不安があります。

茎を使用する場合、まず葉先を節のところで折り、茎の部分を流水で1〜2分洗います。
手でよくこすって表皮の農薬やダイオキシンを落とします。

次に切りますが、2〜3o程度、なるべく薄く切った方が安心効果は高くなります。
切ったセロリは水3カップに酢大さじ1を加えた酢水に5分位さらします。
これで農薬やダイオキシンが残留しやすいクチクラ層の露出面積が多くなり、酢水に溶け出してくれます。
その後、水洗いして使います。

また、セロリの葉の部分を食べる場合、はゆでこぼしを行います。
葉の部分には農薬が1番かかっているので、ゆでこぼし後に念入りに水でふり洗いを行います。


大根

根の部分は農薬が直接かからないため、葉物のように流水につけたりする
必要ありません。
流水でスポンジを使ってこすり洗いすれば大丈夫です。
ダイコンは皮をむいてから使うので、もし農薬の殺菌剤や殺虫剤がクチクラ層に
浸透していても取り去る事が出来るので安心です。
ただ、すぐに調理しない場合は葉は水分が抜ける原因なので切り離します。


<カブ・大根の葉料理>

まず流水でよく洗い2pほどに切り、熱湯で約2分程度ゆでこぼします。
冷水にとって冷まし水気を絞ってから使用します。


玉ネギ

玉ねぎの上下を浅く切り落とし、芽の方から茶色の皮をむきます。
タマネギは地下で育つので、ここくらいで十分ですが万全を期すなら、
茶色の皮の下にある少し緑色がかった1枚をむけばより安全です。




青梗菜(チンゲンサイ)

青梗菜は葉を1枚ずつ外してから洗います。
農薬や硝酸塩の不安が少ない野菜なのですが、土壌のダイオキシンの
心配があります。
流水の中で葉を1枚ずつ洗い、茎の内側の泥をキレイに落とします。
あとは適当に切ってから茹でます。

青梗菜はクセがない為、ゆでた後で水にさらす必要はありません。
ザルに上げたらすぐに広げて冷まします。


トマト

トマトは、ビタミンなどの栄養が豊富に含まれ、その上、低カロリーの野菜です。
色素であるリコピンは、体に有害な活性酸素を抑える働きがあり、
老化の進行や生活習慣病を、防ぐとして話題ですね。
そんな優秀な野菜ですが病害虫に弱く、農薬をかける回数が多い野菜で
残留農薬の心配があります。

そうなると湯むきして食するのが安心です。
煮たり炒めたりする時だけでなく、サラダなどに使う場合も湯むきします。

まず、流水にて30秒程手でこすり洗いすると表皮に残留した農薬などが除去出来ます。
次に、ヘタの反対側に包丁で浅く十文字の切れ目を入れます。

沸騰した湯の中に15秒ぐらいつけると、切れ目から皮がめくれ、はじけてきます。
すぐに冷水に入れて冷ましてから皮をむきます。
これで水洗いでは落ちなかったクチクラ層にまで浸透してしまった農薬などが取り除けます。


ナス

ナスは害虫に強く、比較的早く育つ野菜で残留農薬の不安はさほどありません。
流水にて30秒ぐらい手でこすり洗いします。
切ったらすぐにボウルに溜めた水につけて水が黒ずんでくるまでアク抜きします。
尚、切りにするほど不安物質除去の効果は高くなります。


ニラ

ニラは病虫害には比較的強く、農薬はあまり使用されない野菜で残留農薬の
心配はさほどありません。
しかし硝酸塩の含有量は多い野菜です。
水をボウルに流し入れながら5分程度つけておきます。
その後、流水で5回ほどふり洗いする事により、表皮のダイオキシンや
農薬を落とします。

次に2pぐらいの幅に切ってからサッとゆでこぼします。
炒めるときも、できれば沸騰した湯に通した方が安心です。
硝酸塩などの残留物質が溶け出してくれるからです。


人参

まずスポンジやタワシ等で洗って泥を落とし、皮をむきます。
皮の部分を取り去ることで、表皮の下のクチクラ層にたまる農薬
(殺虫剤や土壌消毒剤など)を取り除くことが出来ます。




ネギ

ネギは大部分に土をかけて育てるため、農薬がさほどかかりません。
外側の葉を1枚むき、根の部分を中心に水洗いします。
皮をむくことによって、農薬やダイオキシンが表皮の下の層に残留していても
取り除くことができます。


白菜

白菜は硝酸塩の不安は少ない野菜です。
しかし、農薬やダイオキシンが一番古い外側の葉に多く付着しているので、
外側の1〜2枚目の葉を取り除き捨てます。
その後、水洗いします。


ピーマン

ピーマンはハウスやトンネルでの栽培が多く、農薬が多くなりがちです。
流水でしっかりとこすって洗い、表皮の残留農薬やダイオキシンを落とします。
食べやすい大きさにカットしたら、熱湯で1分程度ゆでこぼします。
その後冷水にとり冷まします。


ブロッコリー

ブロッコリーは食べるつぼみの部分に覆われている野菜で残留農薬や
ダイオキシンの心配はさほどありません。
ます、小房に分け水に2〜3分つけ、虫やごみを取り除きます。
その後湯に小さじ1塩を加えて、3分程度ゆでこぼします。
洗っても落ちない表皮下の残留物質があっても、切り口から湯に溶け出します。


ホウレン草

ホウレン草は栄養豊富な反面、残留農薬や硝酸塩が多い野菜です。
まず、ボウルに水を流しながら5分ぐらいつけておき、そのあと5回位
ふり洗いをします。
水を流し続けることで、水に溶け出した農薬などが再付着するのを防ぎます。

次に2p位切った後、たっぷりの沸騰した湯で30秒〜1分程度ゆでこぼします。
切り口からお湯の中に農薬、硝酸塩、ダイオキシンなどの有害物質が溶け出してきます。
ゆでた後は冷水にとって手早く冷まし、流水につけてアクを取ってから水気を絞ります。


モヤシ

屋内栽培なのでダイオキシンの心配はありませんが栽培の際に使われる
薬品などは、根から吸収されて根の部分に残留することが多いようです。

まず面倒でもヒゲ根を取ります。
サッと水洗いしたら、たっぷりの水につけてシャキッとさせます。
この時、残留している不安物質や漂白剤(リン酸塩や塩素系化合物など)などを使っている場合でも
水に溶け出します。


レタス

レタスは害虫に弱く、農薬をかける回数が多い野菜で残留農薬や
ダイオキシンの不安はありますが、
付着していてもそのほとんどが外葉に残留しているので、外側の葉を1枚むけば
比較的安心です。
その後は流水で良く洗います。


レンコン

流水の中でスポンジ等を使ってこすり洗いをし、土を落とします。
次に皮をむきますがレンコンは縦に繊維が通っているので、皮は縦にむきます。
その後、食べやすい大きさに切り、水カップ2に酢小さじ2の割合の酢水に
10〜15分程度つけます。

酢につけるのは、アクを取るためですが農薬やダイオキシンが残留していても酢が引き出してくれるので
安心です。


山イモ

流水の中でスポンジを使って5回程度こすり洗いします。
これで土に残留しているダイオキシンの不安が大分解消できます。
次に包丁で皮をむきますが、厚めにむくことで表皮下の不安物質も除去されます。
切ったらすぐに酢水にさらします。
万一農薬やダイオキシンが残っていても、溶け出してくれます。



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